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「ふーん。その子本人はよく知らないけど、その子の家の会社って、たぶん不動産関係の会社だよ。結構大きいと思うよ。働かなくても食べていけるのに何でうちの会社に?って人づてに聞いたことあったわ。…部長の家、もともと不動産の何かやってたみたいなこと、言ってなかった?その頃の知り合いかな?」
「…あ、うん、…そうかもね。」
「ま、ゆいにしたら"秀ちゃん"なんて呼ばれたら穏やかじゃいられないと思うけど、部長の態度考えたら、全く気にしなくていいんじゃないの?」
「…そうかな?」
「そうそう。それか、これを機に、会社のみんなに言っちゃえば?"西島部長と付き合ってます!!"って。」
「…それは…。」
「…冗談よ。部長のことは信じてていいと思うけど、…ゆいはいつもそうやって自分の中で無理やり納得しようとするから…。たまには、自分の思ってること、部長にぶつけてみたら?我慢しないでさ。
『あの子は誰なの?』
『好きなのは私だけでしょ?』
思ってるなら、言ってもいいと思うよ。部長のことだから、ちゃんと話してくれるよ。」
「…うん。ありがと。」
私が一気にしゃべった後で、ゆいは小さく返事をした。
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