救世主

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その日、ゆいは最後には笑って、 「…頑張って…聞いてみる。」 そうつくり笑いをくれたけど、土日でどうなったのかは連絡はなかった。 週が明けて、月曜日。 ロビーの花が新しく生け変えられていた。 大振りの白い花が凛としていて綺麗だった。 その花にゆいの気持ちを重ねて、ゆいの気持ちも晴れたのかなと一人で満足気に笑う私。 それが勘違いだったと気付いたのは、来客対応にロビーに下りてきたゆいの姿を直接見た時だった。 …ゆいの表情は… …晴れてはいなかった。 それどころか、この週始めから、ゆいの顔を晴らすどころかさらに曇らせる出来事が…起こってしまったのだ。 そして、私もそれを目の当たりにすることになった。
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