救世主

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土曜の夜。 残業続きの一週間を終えて、体が疲れているのはわかってる。 早く寝ればいいものをお笑い番組やらニュースを交えて適当に過ごしているだけでもう深夜。 翌日に早く起きなくてもいいと思えると、疲れていても早く寝る気にはなれないものだ。 けどまあ、もう2時になるところ。 テレビを消して、電気も消した。 そして、少しまどろみかけた時だった。 携帯が鳴る。 …誰だよ? 携帯を手繰り寄せ、しょぼついた目で眩しい画面を見ると 『鬼エロ部長 西島』 …こんな時間に? その表示を見た瞬間、胸騒ぎを覚えながら電話を受けた。 「…もしもし?部長?…こんな時間にどうしたんすか?」 それに答えた部長の言葉はあまりにも唐突なものだった。 『すまない。起こしたか?…悪い。すまないが、お前、越石の家を知ってるか?』 …こんな時間に越石のこと? …嫌な予感がする。 俺はベッドから体を起こしていた。 「…越石?…アイツがどうかしたんすか?」 その答えに俺は更に混乱することになる。 『…ゆいがアイツの家にいる』
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