救世主

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長いと思っていた連休もあっという間に終わり、 今日からまた、通常の日々に戻る。 この日は朝から真夏の清々しさを映し出したような快晴の空が広がっていた。 その空に向かって腕を上げ、今日からまた頑張るぞって気合を入れながら伸びをした。 連休明けと言うこともあって、早目に出社したことが幸いして始業前にゆいと話すことが出来た。 誰もいないロッカールーム。 「連休明けって独特の雰囲気だよねー。」 「ホントに。少しまったりしてる感じだよね。」 そんな会話から始まって、お互いの連休のことを話した。 ゆいは最終日の昨日、あの幼馴染のヨウちゃんから連絡が来て、幼馴染としての関係を修復し、ヨウちゃんも新しいスタートが切れたことを話してくれた。 ゆいの表情は明るく、ヨウちゃんを心から応援していた。 私は実家でも料理を手伝ったことと、成瀬さんとの焼肉に行ったことを話した。 言うのが照れくさいことっていうのは…裏を返せば聞いて欲しくてしかたのないこと。 私には話せる相手はゆいしかいないけど、 ゆいにだけは聞いて欲しくてたまらなかった。
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