救世主

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止まっていた社内の空気が動き出し、私たちの意識も徐々に平日のそれに変化していく。 お昼休みになる頃には昨日までの連休の方が嘘みたいな感覚になりつつあった。 受付カウンターから玄関のガラス越しに見える空の雲行きが怪しくなってきたことに気付いたのもその頃だった。 「…もしかして、降ってくんの?」 独り言を言いながら食堂に行く準備をした。 私が食堂でご飯を食べている頃、 経理室では、ゆいにとっての招かれざるお客が訪問してたなんて その時の私は 知る由もなかった。 そして、食堂の窓からもわかる、今にも泣き出しそうな空模様が ゆいと部長に襲いかかる 最大の試練の予兆だったと 思えたのも もっと後になってからのことだった…
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