ハートのエース

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重い荷物を抱えて部長のマンションに到着した。 「…余分な物まで買い過ぎたかもね。」 「…ホント。腕痛いわ。」 荷物を下ろして、二人で腕をブンブン振った。 「てかさ、ゆい、部長と一緒にここに住めばいいのに。」 私は広すぎる部屋を見回しながら言った。 「…うーん。そうかなあ?まだ、早い気がするけど。」 そう言いながらゆいは脱衣所に入って行った。そして、しばらくして出てきたゆいに声を掛ける。 「奥様、洗濯?」 「う、うん。お風呂の掃除とね。」 「むふふ。すっかり奥さんだね。だから…早くないよ。…部長は一緒に住みたいどころか、早く結婚したいかもね。イシシ。」 「…そんなの…わかんないよ。」 「キャハハ。私にはわかるわ。」 「美咲は?成瀬さんとどうなってんの?」 「ええ!?え?何で?何も、どうにもなってないよ!?」 「…ふーん。そうなんだ。」 「あ、またゆいらしくない。」 「そんなことないよーだ。」 二人で荷物を仕分けながら、女同士の会話が面白い。 「とりあえず、お茶でも飲もっか。」 ゆいがグラスにカラカラと氷を入れ始めた時 インターホンが鳴った。
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