710人が本棚に入れています
本棚に追加
ゆいは顔を赤らめたままその質問に何度も瞬きを繰り返していたけれど、一瞬伏せた目をもう一度その社員にしっかりと向けてこう言った。
「…はい。本当です。西島部長とお付き合いしてます。」
そう言ったゆいの表情には何の迷いもなく、言い終えた後、部長をまた見つめ直した。
部長もその視線に応えて、ゆいをしっかり見つめて頷いていた。
私はゆいに駆け寄るタイミングを逃していた。
…と、言うより…
足が動かなかった。
部長はともかく、ゆいの言動に驚いた。
ゆいをそこまで突き動かすのは…
やっぱり、
部長への想いだけなんだよね?
私がぼんやりと立ちつくす中、二人のために小さなお芝居をした森田部長が笑いながら食堂を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!