彡*・△・)「12月ですね、ココア飲みます?」

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ふわり、と一人の青年が荒れ地に降り立つ。 手に持つは巨大な針鼠の針。沢山の血を浴び、褐色に光っている。 彼は辺りを見渡し、敵がいないか確認した。 辺りには倒れた仲間や敵が大量の血を流し倒れている。 先程までここで乱戦があったのだろう。 と、一人の少女が青年から遠くの方に立っている。 息を荒くし、手には血に濡れた薔薇をモチーフにしたのであろう杖が握られていた。 リノ ゚ -゚)リ「……見つけましたよ、ミクさん」 青年はそう言って少女に近づく。 少女はその声に反応すると血に濡れた杖を構え、小さく呟いた。 ミ* _ )「……"メラリア"」 途端少女の後ろに四つ魔方陣が出現し、大きめの火球が飛び出す。 リノ ゚ -゚)リ「おっと」 青年はそれらを避けると葡萄色の目で見つめた。 リノ ゚ -゚)リ「……私は貴方を攻撃する気はありません」 ミ#・_・)「黙れ!」 少女は大声をあげると杖を剣に変化させ、青年を切り付けようと距離を詰める。 青年はそれを平然と避けると悲しげな目で話始める。 リノ ゚ -゚)リ「……信じてもらえませんか?」 ミ#・_・)「うるさいうるさいうるさい!」 少女は狂ったように頭を振るう。 ミ#・_・)「信じられるものか!あんたたちは……あんたたちはこんな話でいいのか!?」 リノ ゚ -゚)リ「……こんな話、とは?」 ミ#・_・)「こんなエセ話でいいのかってことだ!」 彼女はそう叫びながら懐から出てきた絵本を地面に叩きつける。 落ちた時の衝撃で美女と野獣のラストシーンが開いた。 それの最後はこう閉められていた。 "全ての薔薇が散り、死んでしまった野獣の未練を捨て、少女は国の王子様と結婚しましたとさ。" リノ ゚ -゚)リ「…………」 ミ#・_・)「私は!私は彼を愛していたし、彼以外と結婚なんてしたくない!なのに物語は私の意思なんか聞いちゃいないじゃないか!」 彼女の怒りは続く。 ミ#・_・)「他のだって!アリスが不思議の国に残ったり!白雪姫は永遠に起きなかったり!おかしいじゃないか!」 彼女は叫び終えると荒い息を調えると涙の浮かんだ目で青年を睨みながら言い捨てた。 ミ#。・_・)「私はバッドエンド派リーダーとして、絶対この国を変えます」 少女はそう言うと杖を地面に差し、テレポートした。 大人数を殺ったあとだ。無理もない。 リノ - )リ「……私は、貴方を救いたい」 青年は俯いたまま、そう呟いた。
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