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間奏~白き影~
屋上の縁に、その少女は腰掛けていた。下では良次達が、呆然とした様子で、鳥人の骸を見つめている。
その光景を遠目に眺めながら、少女はぼそりと、独り呟く。
「まさか、お手伝いだと思ってした行動が、裏目に出てしまうとは・・・
これは、私の失態ですね・・・」
少女はどう失敗の始末をするか悩んだ挙げ句、
ピンポーンと、頭の上に、小さな豆電球が閃いたかと思うと、
「無かったことにしましょう♪」
なんと、責任を放り出してしまった。
「ですがまぁ、あなたの姿を久しぶりに見れただけで、よしとしましょうか。他の兄弟達も近づいているようですし、そろそろ引き上げましょう」
そう言い残すと、再びその姿は、虚空に溶けるように少女の姿は、それこそ霧のように、消えてしまった。
甘く、とろけるような、それでいて酷薄そうな。けれども、妙に暖かい。そんな、不気味な笑みを残して・・・
~間奏 終了~
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