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「おはよう、理彩」
「え、あ……おはよう、蕾斗さん……って、何でもう起きているの!?」
「ん? 目ぇ覚めたから」
「そうなんだ。あ、お誕生日おめでとう」
「ん、サンキュー」
そう言って、蕾斗さんはあたしの唇にキスを一つ落とした。
今日は蕾斗さんの24才の誕生日。
妊娠八ヶ月に入ったばかりのあたしだけれど、最近は眠くて眠くて仕方ない。
だから蕾斗さんはどんなに疲れていても、いつも朝食を準備してくれる。
でも今日は蕾斗さんの誕生日だから、あたしが作ろうと意気込んで早起きしたのに。
なぜかもう起きているし。
「理彩は何でこんなに早く起きてんだよ。もう少し寝ていればいいのに」
「……」
あまりの普通の対応に、蕾斗さんの誕生日だから朝食を作ろうと早起きした、とは言えなかった。
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