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「俺はさ、どこへ行く、じゃなくて、理彩と出掛けることが嬉しかったりするんだからな」
「蕾斗さん?」
「だから行き先なんてどこでもいいんだよ」
蕾斗さんはそう言ってあたしの手をぎゅっと握った。
あたしだって蕾斗さんと一緒にいられればいい。
蕾斗さんとならどこへ行っても楽しいんだから。
「映画でいいか?」
もう一度同じ質問をして来た蕾斗さんに、
「うん、映画がいい」
そう答えた。
映画館に着いて、どれを見るか選んでいると、
「これは胎教に悪そうだよな」
そう言って、怪しげな笑みを浮かべた蕾斗さんが指差したものは……
ホラー映画。
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