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中学に入学して、1ヶ月。 私の隣の席の高橋は、明るくてお調子者で。 だから、高橋の周りにはいつも沢山の人が集まっていた。 「数学の先生のまねしまーす」 そう言って、定規をカチカチならす。 確かに、似ている。 「おい、高原もやれよ」 なんて、高橋に巻き込まれて… 「んー、じゃあ、家庭科の先生のまねしまーす」 一緒にやりだしちゃう私も私だ。 「お前ら、ほんといいコンビだよなー。タカタカコンビ。おもしれーよ、本当に」 なんて、喜んでもらえて、私も高橋も調子に乗る。 「いいな、タカタカコンビ。やるか、高原」 高橋と、高原。 タカタカコンビ、か。 「やーだーよーだ!!中学入ったら、かっこいいイケメンと出会って恋したいんだから。コンビなんかしてたら、恋できないじゃない」 なんて言えば… 「バァカ!!恋よりも青春だろ、高原!!」
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