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翌日から、楽しいはずの修学旅行は、なんだか楽しくなくなってしまった。 …チェリーが高橋のこと、好きだと知ってしまったから? 同じ人を好きになってしまったからだろうか。 …チェリーに高橋を好きなこと、言えなかったから? 親友になりたいのに秘密ごとをしてしまっているからだろうか。 …きっと、その両方。 「古都ちゃん、見てみてー」 そんな私の気持ちを知らずに、チェリーは笑ってくれる。 可愛い笑顔で笑ってくれる。 だけど… 今の私には、そんなチェリーの笑顔すら、イライラしてしまう。 大好きなチェリーの笑顔なのに。 「…ごめん、そんな気分じゃない」 そう言ってしまった私。 チェリーの顔から笑顔が消えた。 「ごめん、チェリー…」 慌ててそう言ったけど… 「ううん、私の方こそごめんね」 …私のせいで、チェリーの修学旅行も、楽しくなくさせてしまったかもしれない。
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