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ガサッ ポストになにかを入れたような音。 郵便屋さんだろうか。 それとも、ピザかお弁当かなにかのチラシだろうか。 「古都ー、なんか来たんじゃね??」 …みたいだねぇ。 集合住宅の割に、集合ポストがないので、一件一件家の前のポストだ。 何かきたのは、よくわかるからいいけど。 「…優希、よろしく」 立ち上がるのがめんどくさい。 せっかくアイスで涼しくなったのに、動いたら暑くなる気がする。 「お前の家のポストだろ」 …そうだけどさぁ。 「優希のが玄関に近いじゃん」 一歩くらいだけど。 「…最初はグー」 ジャンケンポン …優希は、グー。 …私は、パー。 「勝ったー!!優希、よろしく」 優希は、ジャンケンが弱い。 頭が良いのに、ジャンケンが弱い。 それなのに、自ら、ジャンケン勝負を持ちかける。
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