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「恐竜の色は」
激しい揺れを乗り越えて、辿り着いたニジイロオオカミの時代。
「大部分が想像で」
化石でしか見たことがない植物が生い茂る、太古の世界。
「想像で、想像で」
恐竜の色だけが想像だなんて、そんな問題じゃなかった。
ニジイロオオカミが目立ってしまって絶滅だなんて、そんなの勝手な憶測だった。
「……」
虹色。七色。レインボー。
植物も生物も大地も空も。
ありとあらゆる物が、虹色な世界。
魅了されて、唖然として。
「……あ」
近付いてくる獣臭さも揺らいだ景色も垂らした涎も。
ありとあらゆる物が、虹色な世界。
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