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気付けば私はかなりの魔法の使い手になっていた。
不思議な事に左之助は一人年を取っている。
空を飛べるようになった私は左之助のお城まで飛んでいく。
そこには既に王になった左之助と王妃もいた。
「平助…来てくれたんだな」
左之助に抱き締められある部屋に連れていかれる。
「お前のために用意していた部屋だ。
好きに使っていい」
「でも…王妃様が…」
「親が決めた相手だ。王子も産まれた。
もう手を触れることもない」
「左之助…」
私は嫉妬していたみたい。
これが愛するってことなの?
…わからない。
その部屋で左之助に抱かれ帰るために庭に出るけど
王妃の仕向けた兵に捕まり城に戻される。
塔のてっぺんに幽閉され
何度も脱出を試みるけどうまくいかない。
窓も小さくて体が通らない。
左之助…
ススム…
「私の夫を誑かす魔女め。近いうちに処刑して差し上げますわ」
王妃がドアから覗いて言う。
「違う。貴女が左之助と一緒になる前から左之助は私のものだった…!」
「あなたのもの…ですって?
一国の王がこんな小娘を愛すわけないわ!」
「愛していると言ってくれた…」
「そんなピロートークを信じるなんて
馬鹿としか言いようがないわ」
「嘘…だったの……左之助…」
なぜだか力が抜けていった。
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