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ボーっとして過ごし、何日過ぎたのかさえわからなくなっていた。
急にススムの顔が浮かんだ。
帰らなくちゃ。ススムが心配してる。
…と、ドアが開き兵が入ってきた。
「出なさい」
後ろ手に繋がれ部屋から出された。
中庭に連れていかれ枯れ木を積み上げた真ん中に
十字架に縛り付けられ立たされる。
せめて…この手が自由になれたら…!
左之助は…居ないの?
「左之助…?」
キョロキョロする私に
「王様は不在です」と兵が告げる。
「処刑を始めます!」
王妃の言葉で火が点けられた。
あっという間に燃え広がる枯れ木。
「ごほ!ごほ…!」
熱さより煙の方が辛い。
あ…雨だ……!
いきなりバケツをひっくり返したような雨が降り火を消した。
一陣の風が吹き体が宙に浮く。
「心配させるな」
「ススム…!ありがとう!」
ススムに抱き抱えられ一度地面に降り
十字架から外してもらう。
自由になった手で魔法を使い自分の力で飛ぶ。
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