第一話 「人工島」

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第一話 「人工島」

アメリカ軍新型戦術機開発人工島基地 『実験終了・・・フレイア少尉お疲れ様ですっ』 通信が入り長い実験が終わった この戦術機は日本とアメリカの共同開発らしくコックピットが日本製で少し慣れない 「お疲れっアキラっ!」 コックピットから降りると同じ試験小隊の同僚のミゲル コナー少尉が歩いてきた 「もうそろそろ向こうも実験始まるぞっ・・・見に行くか?」 俺はそっと頭を前に振った 東側飛行場 「おっ、もうやってるなステラは」 飛行場に着くと戦術機二機が飛行試験をしていた 一機はアグレッサーの「M16」でもう一機は試作機の「M16A3」 その試作機には俺らの同僚ステラ ジュール少尉が乗っている 飛行試験と言ってもほとんどレースみたいなかんじになっている 市街地を想定した低空飛行実験、決められたルートを通るが途中ホログラムの障害物を避けなくてはならない 設定はかなりハードになっているがステラなら問題無いはず 「くそっ、全然追い付けないっ」 「ふふっ・・・まだまだね」相手のアグレッサーは自分が出せる最も速いスピードでステラを追うがその距離は縮む気配は無いそしてそのスピードを維持するため集中力を限界まで高めていてかなり疲労している だがそれを尻目にステラ少尉はまだ余裕の表情でさらにスピードを上げさらに「M16」を引き離して行く 「確かM16に乗っているのは、戦闘機のエースパイロットらしいな・・・」 コナー少尉は手元にある資料見ていた フレイア少尉も手元の資料を確認した 「ステラなら心配無いだろっ」 俺は資料を見ても疑いなしでそう言った 「おっ、そろそろ来るぞっ」 段々と大きくなる戦術機のブースター音 最後のカーブに出てきたのは・・・ 予想どおりにステラの乗る「M16A3」が出てきた 最後の一直線をフルスピードでゴールを通過した 「くそ~、また負けたぁ~」 ミゲルが負けたと言ったのは賭けのことでおそらく「M16」の方に賭けたのだろう 「いい加減賭け止めた方がいいぞ」 膝を落としがっかりとしたミゲルにそう言ったが 「いや、俺は諦めない、今度は絶対勝つ!」 こいつは結構長い付き合いだがステラの実力だとまず負けることは無いと思う いや絶対に無いと思った 「うわっ!」
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