1変-変態たっくんと純粋すーちゃん

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1変-変態たっくんと純粋すーちゃん

 ここ二、三日のことだ。毎日礼拝堂に少女が来ている。小学校低学年か、幼稚園か、それぐらいの子だろう。  私は立場上、事情を聴くことにした。だって、親が見当たらないのだもの。世間では小さな女の子に声をかけると通報されてしまうというからな、正直不安を抱えたまま声をかけたんだ。しかしだ、聖職者という職業柄、何をしても許されるだろうという思いがあったのも事実さ。  聖職者たっくんは、大人しく座る少女の横に座り、優しく言葉をかけた。 たっくん「教会が好きかい」 すー「ううん、そんなに」 たっくん「毎日来てるね、つまらなくないの?」 すー「おにぎりくれるから」 たっくん「たっくんがいっぱいにぎにぎしたやつだよ」 すー「たっくん?」 たっくん「お兄さんはたっくん」 すー「すーだよ」 たっくん「すーちゃんはお家に帰らないの?」 すー「う~ん、お家ないから。ここにいるの」 たっくん「お母さんは?」 すー「いないよ」 たっくん「おにぎり食べるか?」 すー「うん」 たっくん「そうかそうかっ。おいで、一緒に作ろう」 すー「え……」 たっくん「たっくんと一緒ににぎにぎしよう」 すー「うーん…する」  少女の手を引き厨房へ連れていくが、まさかこんなに上手くいくとは。家がないとは言っていたけど、子供の言うことだ、あまり信用せず、慎重にいこう。  ただ、朝から晩までずっといるからお腹が減っているのは確かだろうな。  案の定、おにぎりにつられてついて来た。 すー「手届かないよ?」 たっくん「たっくんが抱っこしてあげような。どうだ、届いたかー?」 すー「手がべたべたになっちゃった」 たっくん「んん~ん、じゃあキレイにしなきゃねぇー」  そういって躊躇なく、すーの右手を咥えこんだ。嫌がられたら何か言い訳をしようと思っていたが、その心配をよそに素直に咥えられたまま、お掃除が終わるのを待っているではないか。  好都合。  これは好都合。 たっくん「さ、左手は?」 すー「あいっ」  ほう。左手も咥えて良いという事か。 たっくん「さ、綺麗になったぞ」 すー「ばっちぃ……」 たっくん「水はこっちだよー」  すーを抱きかかえたまま手を洗わせる。  さすがに汚いと思われてしまったか。しかし、よくわからない子だ。
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