第1章

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さすがに立て続けに神崎伸也スクープが出ると報道番組も原稿を読む程度になり、私ら記者が撮った写真も一瞬だけ映るかんじになってきた。 雑誌もデカデカと載っていた扱いも芸能人・タレントスクープ記事の中に半ページだけ載っていた。 私ら記者も神崎伸也より他の芸能人・タレントのスクープを撮るべく、日夜走りまわっていた。 ある時、他のタレントの張り込みにテレビ局のまわりで待機していた。 収録が終わったらしくお笑いタレントらが個人個人、地下の駐車場から出て車は主要道路へ入っていく。 その中に神崎さんがマネージャーらしき人の車に乗って出てきた。 報道陣に車から手を振るがカメラのシャッターは後ろに付いていた別のタレントに集中した。 売れないアイドルの頃には真っ直ぐな黒い髪だったが、お笑いタレントに転身して茶髪に変えた神崎さん。すっとぼけたキャラはアイドルには向かなくても、お笑いタレントには向いてたようで昇り調子だった。 けど立て続けにスクープを出した神崎伸也は少々やりすぎた感があり、女優と歩こうがアイドルと居ようがスクープとして扱われなくなりつつあった。 本人は自覚してんのかな? …◇…◇…◇…◇… 『スクープとしては、世間も私ら記者も飽きてきてんのよ、知ってる?』 『そういえば最近、撮られても騒がれない』 『みんな神崎さんのスクープに飽きてんの!1ヶ月に5~6回スクープが出ればみんな飽きてくんの。やりすぎよ』 『そうですか?』 『疑うなら最近の報道や雑誌に注意を向ける事ね』 私は深夜に売れないアイドルと帰ってきた神崎さんに忠告していた。 シレッとした感じで、わかったのか、わからないのか…まったくつかめない。 片想い、めんどくさくなっちゃった! むしろ、指を突き立て意見してるくらいだから…片想いも終わりかな。 私は神崎さんを最後の1枚だと思ってシャッターをおした。 阻止は止めたわ! …◇…◇…◇…◇… 深夜3時に帰り睡眠を取り起きると多少気持ちがスッキリしていた。 ↓ 伝える事は伝えたから。
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