第1章

2/13
前へ
/13ページ
次へ
私はスクープ記者。 タレントや芸能人の秘密を激写するスクープ記者なんだ。 見習いアシスタントからやっと独り立ちを始めたまだまだ新米。 スクープしてネタを買ってもらって食べていくのが私らスクープ記者の毎日。 恋もする。 だけど、その片想いの相手がそこそこモテてCD出してるお笑いタレントなら? それが問題ありなんですぅ! 私、スクープ記者でありながら、スクープてんこ盛りの人気上昇中のお笑いタレントに恋をしてもう6年。 出来ればスクープなんてしたくない。 だけど私はスクープ記者! なんとしても阻止しなければ!何を? お笑いタレントのスクープを…! …◇…◇…◇…◇… 森部千尋、25歳、独身。 偶然に偶然が重なりアイドルのスクープに成功! まだまだ新米記者の名が記者仲間に知れわたる。 わずか30人の弱小会社にも知れわたる。 そのスクープはアイドル歌手レイナの極秘デートがはっきりとわかり、テレビでは連日取り上げられ、雑誌には見出しにデカデカと載り毎号特集が組まれていた。 《あの純真無垢なレイナ!深夜デート発覚!》 ↑ そんな見出しで。 『森部さん一躍有名じゃない、敏腕記者でもなかなか撮れないのに』 『たまたまですよ、偶然』私は午後の報道番組でレイナのデート報道を見ながら先輩と話していた。 レイナのスクープは本当に偶然なんだ。深夜洗濯物を取り込もうとベランダに出たら、隣のマンションからレイナが窓から恋人といた所を写したのがきっかけ。 バレないか?って? 深夜で高層ビルのマンション・2時をまわってるし…警戒心がなかったのかもしれない。 偶然にも友達が旅行に行くとかで留守番を頼まれた矢先の出来事だった。 『本当に偶然』 『やるじゃない、トップ狙ってんの?』 『まだまだ新米っ!』 私は手をふって違うのジェスチャーをした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加