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サンドイッチにコーヒーで昼食を取り早々に席を立つ。報道番組はまだまだレイナの事を言っていた。
ガッ!
『危ない!』
カメラを持ちネタを狙っていた私は後ろから押され危うく、転けそうになった。カメラだけは守らねば!けど転げるはずみで→偶然にもシャッターを押していた私。
『森部さん、またスクープじゃない!』
『あっ、偶然です。転げるはずみでシャッターを』
『撮れないよ、こんなの』
《お見事!有名女優、街中で強盗犯お縄!》
『あれって女優のキャリーバッグが犯人の足に引っ掛かっただけなんです』
『いかつい犯人が女優共々派手に転ぶシーンってないっすよ』
『お縄っていうより、キャリーバッグが犯人を捕えた…いや犯人がキャリーバッグの取っ手に捕まった感があるけど』
『良いんだよ、そんなの。うちの会社も有名になるさ、森部さん昇り調子じゃない』
『あれは転んで…』
『蚊も殺さないような女優が犯人お縄だよ。キャリーバッグに引っ掛かろうが何でも良いさ』
そうかなぁ。
それは次の日、報道番組で伝えられる事になる。
…◇…◇…◇…◇…
『また森部なの?やっぱトップ狙ってんじゃん』
《有名俳優!事故スクープ!》
『あれは深夜のコンビニで肉まん買って外で食べてたら、たまたま駐車場でバックしてきた車が、コンビニのごみ箱にガシャンって』『有名俳優の愛車がへこんで、泣きそうな俳優の顔って普段見られないよ、クールぶってるからさ』
『本当に偶然偶然』
『なかなか撮れないって』
そのスクープは週刊誌に載ってしまった。
森部千尋、まだまだ新米記者なのに記者仲間、会社では有名になり名前がひとり歩きをしていた。
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