第1章

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あのレイナの公園デートをスクープしたように、友達のマンションから私が住むアパートまで歩いて20分。駅までも歩いて20分。 深夜3時に帰宅しシャワーしてコンビニ弁当で済ませ就寝。 17歳で売れないアイドル→19歳でテレビのADの下につくアシスタント→20歳で今の会社の記者として下積みをして…やっと最近スクープも撮る事が出来るくらいにはなったかと。 地方出身で3姉妹の末っ子だから、この年になっても親には心配もかけてるようで。 『オーディションにたまたま受かったくらいでアイドル?』 って反対されたけど親戚の家に居候する条件で上京し…ADのアシスタントあたりからこのアパートに暮らしてる。正直生活はギリギリだけど、アイドルやAD見習いよりか→記者の仕事が最近好きになってきた。 ジーンズにスニーカーでカメラ持って駆け回るこの世界に夢中だ。 昼過ぎに会社に入る。スクープ次第で帰宅も会社に来る時間も違ってくる。 デスクから顔を上げた上司がパソコンを閉じ、私を手招きする。 『森部、あのお笑いタレントまたネタが出そうなんだよ』 『お笑いタレントって3ヶ月前に女優と噂になってスクープされた?』 『そう、他誰も仕事に出ててさ』 『はい』 普通にデスクに戻りつつも私は小さくガッツポーズをした。 ネタが豊富とはいえ、深夜から早朝に帰ってくる事が多いときて→《新米・女》だからとみんな気を使ってなかなか私にはまわってこなかった。 しかし… スクープを連発した今そろそろ良いんじゃない?って事かもしれない。 私はそう1人で解釈した。
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