第1章

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神崎伸也、26歳 19歳売れないアイドルから22歳お笑いタレントに。 私がAD見習いをしてた頃に、神崎さんは売れないアイドルだった。 怒られる毎日と疲労からスタジオのセット裏で休んでいたら『頑張ってね』とキランッと歯をきらめかせ笑う神崎さん。 クサイ!クサすぎる!今時歯をキランッときらめかせ笑うアイドルっていない。そう思いつつも私は仕事の緊張感を少しだけ、忘れられた。 『顔うす汚れてる』 そう言ってハンカチを私にくれたんだ。 ステージに出て歌う後ろ姿を見て私は恋をしたんだ。それは神崎さんが20歳、私が19歳の頃だった。 神崎さんを撮りたい! そんな思いからスクープ記者に転身したわけだけど。 短い髪をもう一度整え、いざ仕事へ! 神崎さんを撮りたい! 陽も沈み辺りはスーパーからの帰りの主婦や、学校帰りの学生が通ってく中私は神崎さんが借りてるマンションの周りに身をひそめていた。 パンとジュースで空腹を満たす。 『森部、大丈夫?』 と同僚からメールが入って返信をしながら、マンションを見ていた。 神崎さん! …と3ヶ月前とは違う女優が神崎さんの腕に手を絡ませながら出てくるではないか! シャッターをきりスクープ成功! …◇…◇…◇…◇… 《神崎伸也また別の女優か!》 『才能あるんじゃない?』こんなにあっさりスクープ写真が撮れるとは!私もまんざらではない気がしていた。
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