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「よかったぜ。それにしても、浴衣よく似合っててかわいいよ!」
「ありがとう」
美優さんにも褒めてもらえて嬉しかった。
「ん? 涼は、さくらちゃんの浴衣姿に夢中かな。お邪魔虫だったね、すぐに立ち去るよ。ごめんごめん」
「俺たちはもう行くから、母さんも余計なことは言わずに、テレビに戻ってていいよ。草履はありがとう」
涼君も少し照れてるのかな、美優さんをリビングの方へ押している。
私も相当恥ずかしい。
でも、ほんとに涼君が見とれてくれてるのなら、すごく嬉しいな。
また、涼君が美優さんにちゃんとお礼を言ってくれているところも、強く心に響いた。
涼君自身は、特に何をしてもらったわけでもないのに。
ほんとにいい人だ……。
「こら、涼。分かったから押すな~。それじゃ、二人とも気をつけてね!」
「は~い、いってきます」
私が言うと、涼君も美優さんに「それじゃ、いってきます」と言ってから、靴を履く。
そして、私たちは外へ出た。
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