第4章 深まる恋、そして謎

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 私たちは、出店の並ぶ通りに到着した。  予想していたよりも、はるかに賑わっている。 「迷惑じゃなかったら、でいいんだけど」  涼君が言いにくそうに、私から視線をそらして言った。 「はぐれないように、手をつなごうか」 「ええっ?!」 「嫌ならいいんだ。気にしないで」 「ううん、嫌じゃないの!」  私は慌てて否定する。  嫌がっていると勘違いされたら、それこそ嫌だ。  でも、何だか……涼君、いつもよりも積極的?  これも浴衣効果かな?  浴衣最高! 「ちょっとびっくりしただけ。涼君がよければ、ぜひ。はぐれちゃうと困るし」  私は、右手を涼君の前に差し出す。  その手をサッと取ってくれる涼君。  男子の手をしっかり握るのは、中学のときのフォークダンス以来で、かなり恥ずかしい。  いつもより汗をかいているけど、この汗は暑さのせいだけじゃない……かも。  でも、心はうきうきしてる。  すごく。  涼君の手は、大きくて、身体同様にがっしりしていた。  ドキドキして顔が熱くて、今にも逃げ出したいような、でもずっとこのままいたいような、説明できない不思議な気持ち。  そして、これは誰がどう見ても……デートかな。  涼君のほうから「手をつなごう」って言ってくれたってことは、少なくとも嫌われてはないということがはっきり確信できて、ちょっと安心した。 「まず、どこへ行こうか?」  涼君が聞いてきた。 「最初は、やっぱりお参りかな。神社、この先にあるの?」 「うん、もう少し先。それじゃ、お参りにいこう」  私たちは神社へ向かった。
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