第4章 深まる恋、そして謎

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 そのあと、わたあめや水風船を買ったり、輪投げなどをしたりして楽しんだ。  涼君と一緒だと、何をやっても楽しく感じる。  最後に、美優さんたちへのおみやげとして、たこ焼きを多めに買い、私たちもりんごあめを買って、縁日を後にした。  いつの間にか、あたりはかなり薄暗くなっている。  二人でりんごあめを食べながらの帰り道、ふと気になったことがあって、涼君に聞いてみた。 「そういえば、海外ではりんごあめってあるのかな? 涼君は知ってる?」 「ああ、偶然知っているんだけど、あるらしいよ。欧米の色んな国でね。例えばイギリスでは、キャンディーアップルと呼ばれてて、ガイ・フォークス・ナイトやハロウィンでの定番のお菓子みたいだよ。国や地域によっては、普段から買える場所もあるらしいね。日本では普通、普段からりんごあめを買えるところなんてほとんどないけどね」 「うわぁ、物知りだね」  感心のあまり、つい、月並みな褒め言葉を言ってしまった。  私の評価が、このままだと一向に上がらない気が……。  気を取り直して、気になったことを続けて質問してみる。 「ガイ・フォークス・ナイトって、何かの行事?」 「うん、イギリスの風習で、十一月の初旬だったはず。詳しい日付は忘れちゃった、ごめんね」  それにしても、本当に物知りだなぁと思った。  私の知識は、自分が興味を持っていることに限られているし、私ももっと色々なことを知らないと。  そのあと、たわいもない世間話をしているうちに、清涼院家に帰り着いた。
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