第4章 深まる恋、そして謎

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「それで、さっき『帰ってくるかも』って言ってたけど、妹さんは、今はこの街にはいないの?」 「うん、留学中なんだ。今年の春からイギリスにね」 「うわ~、行動力がすごいね!」  海外に留学中だとは思わなかったから、びっくりだった。 「うんうん、翠は俺より一つ年下なのに、行動力では俺よりずっと上かな」 「自慢の妹さん?」 「うん、そうかもね」  涼君は照れたように、頭をかいた。  写真からも仲良しそうなのは見て取れたし、なんだかほほえましかった。  私にもきょうだいがいたらなぁ。  そこで、ハッと我に返る。  それよりまず、私は、実の両親を探さないとだ。 「帰り道で話した、りんごあめの話は、翠から聞いたんだ」 「ああ、なるほど~」  そっか~、翠ちゃんからの情報だったのかぁ。  それからしばらく雑談したあと、私は涼君におやすみの挨拶をして自分の部屋に戻った。
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