第4章 深まる恋、そして謎

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 部屋に戻った私はパソコンを立ち上げた。  何となく気になって、チェリーブロッサムのニュースはないかと探す。  本間さん、どうしているかな?  すると、別の記事が目を引いた。  なんでも、ププセラ王国なる国の皇太子が、お忍びで来日中とのことだ。  大阪や京都を回っているらしい。  ニュースになってたら、お忍びでも何でもないと思うんだけど。  そもそも、こんな国、聞いたことないんだけど、どこにあるんだろ。  元々、私は地理が大の苦手だしなぁ。  アフリカが国じゃないということを、最近知った。  まぁ、京都っていっても広いからすれ違うこともないだろう。  私には関係ない話なんだけど、つい気になって記事をチェックしてしまった。  そんなとき、誰かがドアをノックする音が響く。  その直後、ドア越しに涼君の声が聞こえた。 「ごめんね。一髪屋さんから返事が来たから、ちょっと俺の部屋にまた来てくれるかな」  早くももう、お返事が来たんだ。  私は「はぁい、すぐ行くね」と答えてドアを開け、涼君の部屋に戻った。
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