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ネットでは写真も出ていた。
そのほとんどが、人気絶頂の頃のものと思われる、アイドル風の衣装で歌う一髪屋さんの姿を写したものだ。
昭和風イケメンな雰囲気だった。
ただ、「この人が父親かもしれない」といわれても、正直ピンと来るものはない。
八重桜さん、本間さんのときと同じく。
「八重桜さんや本間さんと会ったときも思ったことなんだけど……」
私は思ったことをそのまま言った。
「正直、八重桜さんも本間さんも一髪屋さんも、『私の父親かな』って風に考えると、ピンと来るものがないんだよね……」
「ずっと会ってなかったから、どうしてもそう感じてしまうのかもね。その三人の中に、実のお父さんがいる可能性は、十分にあるとは思うよ」
涼君は力づけるように言ってくれた。
「あれ? でも涼君は一昨日、『実の親子なら、会えばすぐ分かるはず』みたいなことを言ってなかったっけ?」
「うっ……よく覚えてるなぁ」
涼君は困ったように笑う。
その後、しばらくたわいもない話をしてから、今日二度目のおやすみの挨拶をして、私は自分の部屋に戻った。
今日も色々あったなぁ……。
一髪屋さんって、どんな人なんだろう。
性格は、実際に会ってみないと、分からないな。
気になることは色々とあったけど、とりあえずシャワーを浴びたあと、お布団に入る。
すると、疲れていたこともあってか、いつの間にか寝入っていた。
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