第5章 大阪編

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 翌朝―――。  涼君と私は大阪まで来ていた。  一髪屋さんに会うために。  待ち合わせ場所は、小さな公園だったので、土地勘のない私たちは探すのに時間がかかった。  どうにか待ち合わせの時刻までに見つけることが出来て、一安心。  見回してみたけど、まだ一髪屋さんの姿はなかった。  まだ来ていないようだ。  しばらく待っていると、待ち合わせの時間ギリギリになって、私たちに声をかけてきた人がいた。  私たちが振り向くと、口元に軽く笑みを浮かべた四十代ぐらいの男の人が、ゆっくりと歩いてきている。  服装はジーンズに革ジャンと、かなりラフだ。  目鼻立ちなどが、昨日ネットで見た写真の顔とよく似ていたので、すぐに一髪屋さんだと分かった。  ただ、髪が短くなっていたり、ヒゲを生やしていたりして、ネットで見た写真とはだいぶ見た目の印象が変わっていたけど。
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