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「ほな、その鑑定団にお願いすりゃ、ええわけやな」
「ええ、できればそうしたいですね。いつ頃なら、ご都合つきますか?」
さっそく私は、鑑定の日時を決めたいと思った。
鑑定「団」のところはスルーで……。
それにしても、意外と早く話がまとまりそうで、少しびっくり。
馬が合わないと思ったのは気のせいで、交流を続けていけば、もしかしたら仲良くなれるのかも。
「ほな、来週の火曜でええか? えーと、今から四日後や。明日とあさってはライブの予定が入っとるし、月曜は用事があるし、あかんねん」
来週火曜日……その日は、涼君の部活もないらしく、こちらとしても好都合だ。
私たちは、二つ返事で了承した。
八重桜さんの鑑定がたしか水曜だったから、来週は火曜水曜と忙しくなるなぁ。
でも、そこで一気に状況が進展しそう。
ちょっとだけ心が軽くなった。
「それでオッケーやな」
一髪屋さんは、満足そうに言った。
「ほな、『親子水入らず』といこか。何でも聞いてーな。俺の栄光の軌跡なんかはどうや? 俺が歌手なんは知ってるんやろ?」
「はい、『ふられた今宵、わななき夜桜』ですよね?」
「ちゃう!」
大きな声で怒る一髪屋さん。
え?
曲名、間違ってたっけ。
前言撤回……やっぱ私は、この人、苦手かも。
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