第1章 衝撃的告白

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「とりあえず、今ある手がかりはこれだけだし、このお店に行ってみるね。実の両親の名前や容貌も分からない上に、十数年前の話だし、結局何も情報が得られない可能性も高いけど……このままじっとしていられないの」 「もし、その店で何も分からなかったら、次はどうするつもりなんじゃ?」 「うーん……」  私は考え込んだ。  今のところ、これ以外の手がかりがない。  どうしたらいいんだろう。 「このお店の近くに、両親の家があるのなら、探してみたい。もちろん、どんな家か、両親はどんな人か、などの情報は一切ないんだけど……この唯一の手がかりから探していくしかないから。幸い、八月いっぱいまで夏休みだから、この休みを使ってね。色々遊びにいく予定を立ててたんだけど、とりあえずいったんは白紙にするよ」  少し考えてから、私は言った。 「気持ちは分かるが、ほんとにいいのか? お前ぐらいの年だと、思い出作りが大事だと思うし、いっぱい遊んだほうがいいとおもうんじゃが……」 「だって、気になって仕方ないもん。ほんとに、ただ一度でいいから会ってみたい。ずっと連絡を取り合おうとかは考えてないの。一度会って話せたら、それで納得するから。どんなことがあっても、私の両親は亡くなったお父さんお母さん。生んでくれた両親には申し訳ない気持ちはあるけど、これだけは変わらないんだ」 「何か……打ち明けたことを後悔しそうじゃ。ほんとによかったのか……」  おじいちゃんは複雑な表情だ。 「打ち明けてくれて、本当にありがとう」  私は心をこめて言った。  言いにくかっただろうに、しっかり伝えてくれたおじいちゃんに、本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。 「さくらが、そう言ってくれるなら」  おじいちゃんは、笑顔を見せてくれた。 「しかし、家からこのカメラ店まで、けっこう距離がないか? このカメラ店がある街まで、頻繁に通うつもりなのか?」  たしかに、そこそこ距離があるようだった。  電車を乗り継いで、一時間半ぐらいはかかりそうだ。 「でも、このぐらいなら、しょうがないんじゃないかな」 「そうは言うが、交通費もかかるし、いちいち自宅から行くのも考え物だぞ」  うーん。  それは分かってるんだけど。  でも他にどうしようもないじゃん。
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