第6章 進む調査、深まる想い

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「それで、さくらちゃんは、水があまり好きじゃないってこと?」 「ううん、そういうわけじゃなくて。水に顔をつけることは何ともないんだよ。ただ、水に入ると沈むの。息継ぎのときもそうやって沈むから、一度もできなくて。それで、まともに泳げない」  私はもうすっかり開き直って、隠さずに言った。 「そっか、水が苦手ってわけではないんだね」 「うん」  次の瞬間、涼君がイタズラっぽく笑ったかと思うと、いきなり水を私にかけてきた。  不意打ちでびっくり仰天! 「ちょっと、涼君! 何するの!」 「だって、水は苦手じゃないって言うから」  涼君は面白そうに笑っている。  私も表向き抗議はするけど、ついつい笑ってしまう。 「たしかにそれはそうなんだけど……突然、水をかけられるのは誰だって嫌でしょ~」 「うん、そうかもね。でも、嫌って言いながら、さくらちゃん、今笑ってるもん。嫌じゃないんでしょ、ほら、ほら~」  言うと、また水をかけてくる涼君。  もう~。  楽しくなくもないから……別にいいけど。 「それじゃ、反撃いきまーす」  そう宣言してから、私も水をかけ返した。 「うわっ!」  手で顔をガードする涼君。  調子に乗った私は、さらにエスカレートした。  両手を大きく振りかぶると、勢いよく水面に振り下ろして、激しい水しぶきを涼君に浴びせる。 「うわっ、やめてやめて!」  言いつつ、涼君も笑っている。  もう一回しようっと。  そして、同じように大きく振りかぶった。  そのとき―――。 「あれ?!」  涼君がそこまでとは調子の全く違う、本気で驚いたような声を挙げたので、私は思わず動きを止めた。  両手を大きく振り上げたポーズのまま。
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