第6章 進む調査、深まる想い

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「どうしたの? 何かあった?」  心配になって聞いてみた。  私が調子に乗って、やりすぎちゃったのかな。  うう……。  私は、いつもこんなのばっかりだ。  すぐ調子に乗っちゃう。  しかし、涼君は怒っている様子はなく、冷静に言った。 「自分では見えにくいかもしれないけど、左ひじのあたりを見てみてよ」 「え?」  私は、思わず自分で確認した。  しかし、左ひじの周辺をいくら注意して見てみても、何の異常も感じられなかった。  てっきり、知らないうちに怪我でもしているのかと思ったんだけど。 「どこも怪我してないよ。何ともないみたい。何かあった?」  左ひじをじっくり観察したまま、私が言った。 「そうじゃなくて、アザだよ。話してくれたでしょ、本間と会ったときにアザを見つけたって。今、それって見当たらないよね?」 「あああ!!」  そうだった!  ここにはたしかにあのとき、アザがあったはず。  でも今見てみると、アザらしきものは影も形もない。 「どういうことかなぁ?」  私にはワケがわからなかった。 「うーん……つまり、アザじゃなかったってことじゃないかな」  考え込んだあと、涼君が言う。 「え? どういうこと?」 「本間のアザが、本物か偽物かは分からないけど、少なくとも、さくらちゃんのアザは偽物だったってことになるね。本間の言うような、生まれた直後からあるような種類のアザって、一気に跡形もなく消えるようなものじゃないはずだから」  偽物のアザ?  そんなもの、いつ付いたんだろう。  私には見当も付かなかった。 「それじゃ、そのアザって、本間さんが私に付けたものってこと?」 「普通に考えると、そうなるね」 「でも、そんなことをするタイミングって、なかった気がする。魔法でも使わない限り」 「うーん」  涼君はややうつむいた。  また、深く考えこんでいる様子だ。 「可能なタイミングが一度だけあったんだと思うよ」  涼君は、かすかにうなずきながら言った。
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