第1章 衝撃的告白

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「まぁ悩むのも分かるが、まともな人たちだから安心しろ。それに、例えば、場所が海外なら、割とよくありそうなことじゃろ? ホームステイ先に同年代の男がいても、別に問題ない場合も多かろうが」 「言われてみれば、それもそうかな……。それで、その清涼院さんは、いきなり私が居候したいって言って、困らないの? 普通は困ると思うけど」 「あそこはデカイ家だし、余っている部屋もあるはずじゃ。実際、わしを泊めてくれたことも、幾度もあるからな。去年までは、留学生を受け入れてたぐらいだし、何ら問題ないと思うぞ。ちょうど今は、誰も留学生を受け入れていないらしい。あそこの親父……と言っても、わしの息子ぐらいの年じゃが……あいつとは先々週に話したばかりだ。あの家には、少しばかり貸しもある。わしの頼みとなれば、喜んで受け入れてくれるじゃろう」 「借りを返させる、みたいなのは、あまり感心しないんだけどなぁ。そんな理由でしぶしぶ了解してもらうんだと、快く受け入れてもらえないっぽいじゃん。嫌われたくないし」 「無理にとは言わんぞ。じゃが、家からそこまで通うのは、交通費と時間の無駄だと思うから、どこかに居候できれば、好都合だと思っただけじゃ。それに、その街にはユースホステルなどもなかったはずだし、わしの知り合いなら信頼できると思ったから、勧めただけじゃし。最後に決めるのはお前じゃから、お前の自由にすればいいぞ」 「うーん……」  私は考え込んだけど、代案は思いつかない。  結局、おじいちゃんの提案にすがるしかなさそうだった。 「他に何もいい案を思いつかないし……お願いしようかな」 「おう、任せとけ!」  おじいちゃんは、力強く言う。 「それじゃ、これから向こうと連絡を取るが、さくらはいつから行ける?」 「急いで支度をすれば、明日からでも無理ではないけど。そんなにすぐに、向こうのおうちも了解をくださらないでしょ?」 「わしに任せろ! すぐもらってやる」 「絶対、無理やりはやめてね」 「分かってるって!」  かなり心配だけど……しょうがないか。  今はおじいちゃんに任せるしかない。  居候はすっごく不安ではあるけど、これからの私の調査のためには避けては通れないことだということで、私は覚悟を決めた。
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