第1章 衝撃的告白

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「お前の両親は、実の両親ではなかったんじゃ」  あまりの驚きに私は固まってしまった。  しかし、おじいちゃんの顔は真剣だ。  いつもみたく「うっそぽーん」とか「いいリアクションいただきました! 敬礼!」とか言って茶化しだすような顔ではない。  だからこそ、衝撃だった。  混乱して頭がうまく働かない。 「どういうこと?」  思考がフリーズしかけながらも、声を振り絞って聞いてみた。 「驚いたか。まぁ無理もない」  おじいちゃんは真顔のままうなずく。  私の両親は今から十年前、私が七歳のときに、交通事故で亡くなってしまった。  すでに物心がついていた私は、泣きじゃくったものだ。  私は一人っ子で、両親とおじいちゃんしか家族がいなかっただけに、なおさら。  おばあちゃんも私が生まれた直後に亡くなったと聞いているので、私は全く覚えていない。  もちろん今となっては、七歳だった当時ほど取り乱してはいないけど、それでも時々両親のことを思って、悲しくなることもある。  その両親が……実の両親ではなかった?  おじいちゃんが私の様子を見ながら言葉を続けた。 「お前が一歳になるかならないかの時、うちが施設から引き取って養子として育ててきたんじゃ」  にわかには信じがたい話だったけど、普段の様子からは想像できないほど真剣なおじいちゃんの顔が、事実を語ってくれていることを物語っている。  私は何も言えなかった。 「まだ物心がついてなかったはずだから、お前が施設のことを覚えていないのも不思議じゃない。じゃが、これは本当のことなんじゃよ」  その時、ふと気になったことがあった。  私は聞いてみる。 「ちょっとすぐには受け入れがたい事実だけど……。それにしても……。どうして、今、教えてくれたの?」  そう……なぜ今になって、こんなことを教えてくれたのだろう。 「いつかは言わなければならんと思っていたよ。今日はもう一つ、さくらに言わなければならんことがあったから、いっぺんに言った方が、お互い心の負担も軽くて済むと思ったからな。それで今日、伝えたんじゃ。今まで黙っていて、ほんとにすまんかった」  え……何?  まだ私に、何か伝えないといけないことがあるの?  一発目からこんな衝撃の事実を言われた私としては、もう一つのほうが怖くてしょうがなかった。  勘弁してよ……。
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