17人が本棚に入れています
本棚に追加
「ショックを受けたかもしれんな。ごめんな」
おじいちゃんが優しく言う。
「それで、もう一つ、私に言わないといけないことって何なの? そっちも気になる……」
すると、おじいちゃんは、こころもち表情を和らげて答えた。
「まぁ今のに比べると小さい話なんじゃが、わしは入院することになった」
「ええ?! 検査結果がよくなかったの?」
「ああ、先生は何て言ってたかな……。詳しくは忘れたが、何かの数値が上がっていたから、精密な検査が必要らしい。時間もかかるらしくてな。検査入院ってやつじゃ」
「ほんとに大丈夫なの?」
「まず検査入院、それではっきり分かるらしい。さほど重大な様子ではないから、あまり気にしなくてもいい。もし検査結果が悪いと、手術ということになるかもしれんがな。でも、今から心配していてもしょうがないさ」
「そっか……。検査結果、問題ないといいね。……あ! それじゃ、入院準備しなくちゃいけないんじゃない?! いつから入院なの?」
「明日からなんじゃが」
「えええええ!!!」
早く言ってほしかったよ。
色々準備とかもしないといけないじゃん。
「それじゃ、急いで入院準備しないと!」
「準備ってそんな大そうな……。タオルと着替えくらいでいいだろ」
「他にも色々あるでしょ。もっと早く言ってよ~」
おじいちゃんと一緒に、大急ぎで荷物を詰め始める。
正直なところ、こうして違うことを考えることができたのが、そのときの私にとってはありがたかったように思う。
さっきおじいちゃんから伝えられた衝撃の事実から、少しでも考えをそらすために。
少し冷却期間がほしい……そう思ったから。
最初のコメントを投稿しよう!