第1章 衝撃的告白

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「ショックを受けたかもしれんな。ごめんな」  おじいちゃんが優しく言う。 「それで、もう一つ、私に言わないといけないことって何なの? そっちも気になる……」  すると、おじいちゃんは、こころもち表情を和らげて答えた。 「まぁ今のに比べると小さい話なんじゃが、わしは入院することになった」 「ええ?! 検査結果がよくなかったの?」 「ああ、先生は何て言ってたかな……。詳しくは忘れたが、何かの数値が上がっていたから、精密な検査が必要らしい。時間もかかるらしくてな。検査入院ってやつじゃ」 「ほんとに大丈夫なの?」 「まず検査入院、それではっきり分かるらしい。さほど重大な様子ではないから、あまり気にしなくてもいい。もし検査結果が悪いと、手術ということになるかもしれんがな。でも、今から心配していてもしょうがないさ」 「そっか……。検査結果、問題ないといいね。……あ! それじゃ、入院準備しなくちゃいけないんじゃない?! いつから入院なの?」 「明日からなんじゃが」 「えええええ!!!」  早く言ってほしかったよ。  色々準備とかもしないといけないじゃん。 「それじゃ、急いで入院準備しないと!」 「準備ってそんな大そうな……。タオルと着替えくらいでいいだろ」 「他にも色々あるでしょ。もっと早く言ってよ~」  おじいちゃんと一緒に、大急ぎで荷物を詰め始める。  正直なところ、こうして違うことを考えることができたのが、そのときの私にとってはありがたかったように思う。  さっきおじいちゃんから伝えられた衝撃の事実から、少しでも考えをそらすために。  少し冷却期間がほしい……そう思ったから。
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