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車に揺られる事約1時間。
車内ではパーティ初心者の私達に三枝さんが、色々と説明してくれていた。
「兎に角、問題なのは相手の気分を害さない様にする事、接客業をしてる君達なら心配ないとは思うけど、変な質問には真面目に答えなくて良いからね」
「じゃあ、私達は三枝さんの友人て言う設定で対応すれば良い訳ね、千春もok?」
「それは良いけど…投資家の日常なんてわからないわよ、質問にそれがあると厄介だね」
「ま、そこは臨機応変。知らない事は知らないで大丈夫だよ」
「でも、三枝さんの立場的にはあまり宜しくないんじゃ…?」
「別に。自分を売り込みに来たわけじゃないから、立場なんてのは気にする必要ないよ、例えれば、普段仕事でやってる接客を多人数にすれば良い」
それだけなら、まぁいけそうなんだけど、1000人規模の接客なんて、上手く出来るのかしら?
チラっと遥の顔を伺うが、彼女の場合多分問題ないだろう…自信気な笑みが不安を匂わせない。
問題はあたしか?
どちらかと言えば会話は得意じゃない…現に話術では、何時も遥を追い越せないのが事実。
いきなりこんな大仕事、私は不安でたまらないわ…。
そんな時。
「千春ちゃんは、ヤバくなったら俺の所に来れば良いよ、遥ちゃんと比べたら…申し訳ないけど千春ちゃんの方が会話の部分で見劣りする…自覚あるんだろ?」
「そうね…否定はしないよ、確かに話術で彼女には勝てない」
「まっ!サービスの腕は千春には負けるわね、私。話す方が全然楽だしね、会話は私に任せて、千春は彼の身の回りをこなせばいいんじゃない?」
あはは…確かにその方が楽かも。
でも、それって…いや、やめとこう。
考えても仕方ないもんね。
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