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それから…
歩く度に声をかけられて応対する私達の手には数多の著名人の名刺が溢れ、その数は20を超えた。
ふと私の目線が三枝さんと合う。
彼は、数人の女性に囲まれ少し躊躇していた、思わず私はその場に行くと、三枝さんの手にするからのコップに目が行き、それを受け取ると、ホールを回るボーイさんにそれを手渡し、新しい飲み物をもらい、彼に届ける。
それを見ていた夫人の一人がふと私に話しかけてきた
「へぇ。気の利く方ね、お名前宜しいですか?」
「あ、はい。私は水城千春と言います、三枝さんとは友人としてお付き合いさせて頂いていて、今回、パーティに招待してもらいました。」
「それは宜しい事ですね…私は東条憂華(とうじょうういか)と申しまして…」
「知っています、エステサロン憂華の社長様ですよね、支店の方には何度かお世話になっています」
「あらあら、それはご縁ですね、今度本店の方にもお越し下さいな…わたくしが色々お世話しますから」
「そ、そんな!いいんですか?」
「よろしくてよ、光成さんのお知り合いなら大歓迎します。」
「ありがとうございます、是非伺いたいと思います」
「それでは名刺を差し上げます、来る前に電話して下さいな」
「はい!」
エステサロン憂華は千春が大好きなお店だ、雰囲気も良く、リラックス出来る、そんなエステサロンの女社長から名刺をもらうなんて、考えられないほどの喜びを感じた。
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