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「三枝さんのフィアンセ、どんな方なんですかねー。私はとてもそれにはなれませんよ、普通の人と結婚して普通に人生を送りたい…今日の事で、それが良く分かりましたから」
そう言うのは散々玉の輿発言をして来た遥。まぁ、理由はこのパーティだろうけど…こう言う人と結ばれたらこんな事が日常茶飯事になると考えたのかな?
「千春さんはどうです?」
光成が、千春にそれを聞いてきたが、千春は既に答えを用意していた…
「私には…縁遠い話ですね。理由は話せませんが、多分、ないと思います」
「そうですか…?ま、良いです、自分もこんな窮屈な場所に普通の女性を入れるのは避けたいですし、それ以前に方向性も定まってませんから」
「でも、基板があるならその方が楽にいけません?」
思わず遥がそんな質問をした。
「これは、今でも変わらないですが、出来れば自分は普通の家の普通の家庭に生まれたかったです、確かに基板はありますが、それは親の敷いたレールの上を歩くだけで、自分自身の意思がありませんよ、それではつまらないんです」
「三枝さんは他力本願がお嫌いなんですねーだから私達みたいな生活に憧れてる…そーゆー事なんですね」
「結局はやり甲斐です。敷かれたレールの中のやり甲斐も良いですけど、個人的に自力で何かを掴みたい…そのやり甲斐こそ、自分が求める夢なんですよ、遥さん千春さん」
なるほど、言われてみれば敷かれたレールを走るだけでは自力でのやり甲斐とは言えない。
庶民の生活をする事で自分なりのやり甲斐を見つけたいのが彼の本音なのかも…そう思えた。
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