episode2 祭りの後で…

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「あ、そうそう…お二人にこれは伝えたいのですが、諦める必要はありませんよ、まだまだ、二人ともお若い…きっと貴方がたにみあった男性が迎えてくれます…それは僕みたいな資産家かも知れないし普通の男性かも知れません、何れにしろお二人には万の可能性がある…そう思います」 ちょっとキュンとした、それが、お酒の所為なのか私の思いの所為なのかは解らないけど…遥はそれとは違う見解で答える 「私は、万の可能性より1つの勘を信じてます、恋愛なんて、それで十分、繰り返すのは精神的に負担が増えるので…でも、ここは同じかな?」 「ほう…何でしょう?」 「その1つの勘が知らせるのは資産家かも知れないしそうじゃないかも知れないと言う部分です。私の勘がこの人と囁いた時、その相手がどー言う存在か…それを見つけるのが私は楽しみです」 「なるほど、所謂、女の直感とゆーやつですね、中々面白い回答です、よしんばそれが資産家なら遥さんはきっと幸せなのでしょうね…。」 「そーゆー事です。笑」 中々のトークに二人は笑顔を見せる、私はと言えばそんな話を聞いても正直笑えなかった。 元男性である…と言う未だ残る心のトラウマが私を素にはしてくれない様で、何処か雲の上の世界の様な気がした。 私が憧れてはいけない世界。 それが恋愛と言う世界なら、私には到底希望なんて持てる世界ではないし、諦めるなと言われても、そもそも踏み出す勇気なんて持てる筈も無い…この胸の支えだって何時かは泡と共に消える。 そう…私には恋愛と言う世界を体験する事は許されないんだ…。 それが私の宿命。
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