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「ありがとうございましたー。」
最後の客が店を出て行く、数人居る従業員達で彼らを見送ると、閉店時間は何時もの一時間遅れ、外のシャッターを落しこれから閉店業務が始まるのだけれど…
「少し休ませて下さ~い」
私と遥以外の後輩従業員は一同に返してそんなセリフを溢し、カウンター席で皆ぐったりしていた。
まぁ、仕方ない…私達でさえかなり一杯一杯だったし、彼女達にはかなりハードだと分かる。
「遥、どうしようか?」
「そーねー…あまり彼女らに余裕はなさそうだから、二人でやっちゃおーか。」
「だねー。じゃあ、貴女達帰っても良いよてか、帰ってしっかり身体休めて明日に備えて」
『すみませーん…お先に失礼します!遥先輩、千春先輩』
それぞれに挨拶して彼女達は順次帰宅していった。
「さて、どっからやろうか?」
「兎に角手分けして終わらしちゃおーよ、遥」
「だーね、やっちゃお!」
遥と二人、何時もは時間かけて教えながらやる閉店業務も、今日はそれもないので、お互いに阿吽の呼吸でテキパキと作業をこなす。
終わって見れば、流石と言うべきか普段よりも早く業務が終わった…マスターが顔を出した頃には二人でカウンター席に座り、水を口にする余裕さえあった。
「手際良いなーもう、おわったのか?」
「はい、教えたりする必要もないので、こんなもんですよ!」
「しかし、あの御曹司ってかなり影響力あるんだねー。芸能人程じゃ無くてもあれだけ人が来ちゃうんだもん」
感心して頷く私とマスター。
でも、名前だけじゃないと思うな…あれだけ気遣いが出来て優しくしてくれる人。
確かに影響力があるのはわかるけど、私は個人的に人柄な気がする。
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