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取り敢えず、店の場所を指差ししながら道順を教える
「あの信号を左折したらすぐですから」
「成る程、もう、側まで来てたのか…すまない、普段は運転手任せだったから、道が良くわからなくてね、さっきまで商店街辺りの道路を何往復もしてたよ。」
笑顔で語るのは結構ですけど、商店街を…何てどんだけお坊っちゃまなのよ!免許ある癖に自分で運転しないとか…私なら考えらんないわよ。
「それではこれで…」
「あ、ちょっと…」
何、まだなんかあるの?私、あまり関わりたくは無いんだけど。
少しムッとした顔で彼を見ると彼は軽く頭を下げながら『ありがとう』そう言った。
あれ?こー言う類の人って、もっと上から目線で人を見下げる様に話すんじゃ…テレビの見過ぎかなぁ…ははは。
「買い物なの、君?」
「まぁ…お昼ですからお弁当でも買おうかと…何か?」
「付き合って良い?」
「はい?」
「おにぎり…だっけ、確か色々な具材を詰めたご飯だとか…」
「………。」
一体あんたは普段何をくちにしてるわけ?おにぎりを知らないとかもう、庶民レベルじゃないじゃん!付き合って良いって…まさか私に買わせる気なの?
「どうかした?」
「いえ、別に…てか、普段何を食べてらっしゃるの?」
「うーん…何だろ、何時もシェフが作った料理ばかりだから何がなんだか分からないなぁ」
「で、何でおにぎり?」
「あー、俺さ…良い加減飽きちゃて最近庶民の生活を楽しんでるんだけど…おにぎりはやっぱり定番かな…と思って」
拍子抜け…って言うのかな、こーゆーの。何かイメージとのギャップが凄くて言葉が出ない。
それならと、彼とコンビニエンスストアに入り、私は目的のお弁当を手にした。
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