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「お帰りなさい、GI。無事の帰還おめでとう。
回収してきた【MOMOTARO】も、ドクターたちが
蘇生を施しているわ!」
満面の笑みで私へと近づいてくるBA。
腹は、固く突き出したままだ。
「そんなことはどうでもいい!
君のおなかは、いったいどうしたというのだ?
宇宙にいる寄生生物によるものか?
すぐさま謎を解明して対策を練ろう!」
身体中に張り付くコードを引き抜き、彼女へと駆け寄った。
しかし彼女は私から一歩下がり、「ごめんなさい」と告げた。
「あなたからの連絡が途絶えて、1年も経った。
もう...駄目だと思ったの。
だから私は...」
長いまつげを伏せ、
腹を彼女は優しく撫でた。
それは、寄生した生物への愛情のこもった手だった。
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