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「今すぐ調べられないか!
我々はMOMOTAROを捜しているのです!」
彼女の肩をつかみ、言った。
脅えた表情で私を見つめる。
INUがぼそりと呟いた。
「見つけ出すことは不可能でしょう。
彼女が生きていたのは2000年前の地球です。
桃太郎という人間がいたとしても、すでに、死んでいると思われます」
INUの青ざめた横顔を見て、一つの結論へと辿りついた。
「まさかとは思うが…。
人違いであったとか…
そういったことはないだろうか?
間違えた人間を、
救世主として保存してしまった。
ということは?」
考えるだけでも恐ろしい結論だった。
このプロジェクトに、絶対不可欠な人間がいないことになる。
それはすなわち失敗を意味する。
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