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私は、あきらめのため息をついた。
運命を人にゆだねることが、どれほど困難で浅はかであるのか、思い知る。
「君は全く理解していないようだ。
ここは君がいた、地球ではない」
「あの、なんのことでしょう?」
戸惑った表情を浮かべ、私たちを見つめた。
彼女の腕をつかみ、スペースシップの先端の席まで歩いていった。
スティールの床板を踏みつけ歩き続けると、全てが透明になる場所へとおどりたつことができる。
床下に広がる銀河に戸惑いながらも、足を進める彼女の腕を引いて、さらにスペースシップの先端まで歩いた。
【Island 101】の、最尖端である艦長の席。
そこに広がるのは360度、宇宙を見渡せる場所だ。
広がるのは、キラキラと輝く銀河群。
その中に浮かぶ、青い星を指さした。
「あれは、なにか、わかるかい?」
彼女へと尋ねる。
「....地球でしょうか?」
答えを告げること自体が、怖いといった様子で彼女は、おずおずと応えた。
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