なお日常は続く模様

3/10
前へ
/10ページ
次へ
ヤバい、もうこんな時間だ。 一通りアプリをダウンロードして、時計を見るともう日付が変わる寸前だった。 冬弥に電話しなくちゃ・・・。 日付が変わるまでに電話をしないと冬弥の機嫌が悪くなる。 私はスマホを操作して、冬弥に電話をかけた。 『もしもし・・・?』 マズい、声が不機嫌そうだ。 「遅くなってごめんねー、スマホ機種変更して色々やっててさ。」 私は冬弥の不機嫌そうな声には気づかなかったというように、努めて明るく振舞った。 『お、機種変更したんだー、俺と同じやつ?』 「うん、そうだよー、お揃いだね。」 『うん』 良かった、機嫌直ったみたい。 「後でさ、冬弥が一緒にやろって言ってたゲームの招待コード送ってよ。」 『いいよ、じゃあ、LINEで送るわ。』 ゲームの話をしていて、私はふとさっきのアプリのことを思い出した。 冬弥も同じ機種だし、冬弥のスマホにも入ってたのかな? 聞いてみよう。 「ところでさ、このスマホ、なんか変なアプリ入ってなかった?」 『変な?』 「うん、日常とかっていう・・・。」 『そんなの入ってなかったと思うけど・・・どんなやつ?』 「そうなの?なんか気持ち悪いやつだったから、ちゃんと見てなかったんだよね。」 『ふぅーん・・・今度見せてよ。』 「ごめん、なんか気味悪かったからアンインストールしちゃった。」 『なんだー・・・じゃあ、仕方ないよな。』 それからしばらく冬弥と話して、電話を切った頃にはもう1時を回っていた。 明日も仕事なのにな。 冬弥は学生だから気楽でいいよね。 私は口元まで布団を引っ張り上げて目を閉じた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加