1

10/13
前へ
/49ページ
次へ
さわさわと銀杏の葉がこすれて音を立てる。  季節は秋なのか、葉は黄色に色づき風が吹くたびに地に落ち、風に揺られて、ふわふわと舞っている。  銀杏の木が並ぶ坂道を少女は足早に歩いていた。    少女の中に自身を感じながら、祐希はああ、と思う。  __また、あの夢だ。  物心つく前から時々見る夢。  今ではこれがどういったものなのか、祐希は知っている。  
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加