epilogue

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この国には、いくつかの特殊部隊が存在する。 例えば、警察に属する"SAT"や"銃器対策部隊"、陸上自衛隊に属する、"特殊作戦群"や"第1空挺団"などだ。 しかしながら、それらはあくまで"広報用"である。 もちろん、ある程度の成果はあげている。 実際、SATなどは幾度も凶悪事件を解決してる。 だが、それらの集団が、この国の利権を侵害しようとしているものに対し、実力を用ってこれに対抗できるか? 答えは、当然、否だ。 平和ボケしたこの国の国民性が、彼らが武器を用いて戦うことを許すはずがない。 戦後より、日本人は自分で自分の国を守ることすらできなくなってしまった。 それを一番危惧したのは、他でもないアメリカである。 その当時、アメリカは日本を社会主義に対する防波堤ととらえており、その防波堤が国防意識がないと知るや、理由をこじつけて日本に再軍備を促した。 しかし、それだけでは心もとない。 そう考えた彼らは、警察予備隊のなかにある部隊を創設した。 その部隊は、任務の性質上、外部には秘匿され続け、保安隊、防衛庁を経て 、防衛省に属する部隊となった。 それが、現在のATEU( Anti-Terrorism and Espionage Unit)である。直訳すると、"対テロ・諜報部隊"だ。 この物語は、ATEUに属する、波留俊明をはじめとする人々の視点で語られるものである。 ー 彼らは、何のために戦うのか ー
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